「チームの練習ではGKの練習時間が少ない」「GKコーチがいない」。そんななやみを持つGKはたくさんいます。でも、パートナーが1人いれば、GKの練習はぐっと広がります。友だち、チームメイト、家族、もう1人のGKなど、ボールを投げてくれる人がいれば十分です。
この記事では、私たちKEEPIX TEAMがすすめる「GKが2人でできる練習メニュー」を8つ紹介します。キャッチング、ステップ、反応、安全な倒れ方、フィード、そして2人でできるゲームまで、公園や校庭のすみでもできる内容です。それぞれに「コーチングポイント」「やさしくする方法」「むずかしくする方法」をのせているので、小学生から高校生まで、レベルに合わせて使ってください。
2人で練習するよさ
一人の練習では、かべ当てや自分で投げたボールが中心になります。2人になると、相手がいろいろな高さ・コース・タイミングでボールを出してくれるので、試合に近い「予想できないボール」に反応する練習ができます。また、おたがいの構えや手の形を見て、声をかけ合えるのも大きなメリットです。
さらに、2人で交代しながら行えば、投げる側も休みながら学べます。投げる人は「どこに投げたらむずかしいか」を考えるので、GKどうしで練習すると、シュートを打つ側の気持ちもわかるようになります。一人でできる練習はGKが一人でできる練習メニューで紹介しているので、組み合わせて使ってください。
安全に行うための注意点
- 練習の前に、ジョギング・ストレッチ・軽いキャッチングで体をしっかりあたためる。
- セービングや倒れる練習は、芝生などのやわらかい地面で行う。コンクリートやかたい土の上ではとびこまない。
- 頭からとびこむ形はしない。手を先に出し、体の横から地面に落ちる。
- 投げる人は、はじめはやさしいボールから。いきなり強いボールや近い距離からのキックはしない。
- まわりに人や車、かたい物がないか確認する。公園ではほかの人にボールが当たらない場所を選ぶ。
- 小学生は回数を少なめにして、休みをしっかりとる。つかれてきたら終わりにする。
GKが2人でできる練習メニュー8選
1. 向かい合ってキャッチング
2人で4〜5mはなれて向かい合います。パートナーが胸の高さ、頭の上、おなか、足もとと、いろいろな高さにボールを投げ、GKはキャッチします。10回キャッチしたら交代です。シンプルですが、毎日続けると手の形と体の使い方が安定します。
- コーチングポイント:高いボールは親指と人さし指で三角形(ダイヤ)をつくってつかむ。低いボールは小指をそろえて、すくい上げるように体にかかえこむ。最後まで目をボールからはなさない。
- やさしくする方法:距離を近くし、ゆっくりした下からのボールで、正面だけに投げる。
- むずかしくする方法:距離を遠くする。どの高さに投げるかを言わずに投げる。キックやボレーで出す。
2. ひざ立ちキャッチ
GKはやわらかい地面の上でひざ立ちになり、パートナーは3〜4m前から左右や高さを変えてボールを投げます。足を使えない形にすると、手と上半身の使い方に集中できます。キャッチの基本を見直したいときにおすすめです。キャッチのコツはGKのキャッチング練習メニューでもくわしく紹介しています。
- コーチングポイント:背すじをのばし、手は胸の前で準備。ボールをむかえにいくように手を前に出し、キャッチしたらすぐ胸にかかえる。
- やさしくする方法:正面だけに投げ、少しずつ左右へ広げていく。
- むずかしくする方法:パートナーが2つのボールを続けて投げる。片ひざ立ちにして、体の横へ少し倒れながらキャッチする。
3. ボール落としの反応キャッチ
パートナーはGKの2〜3m前に立ち、両手にボールを1つずつ持って肩の高さにかまえます。合図なしに片方のボールを落とし、GKはすばやく1歩出て、ボールが2回はずむ前にキャッチします。テニスボールでもできます。目と1歩目のスピードをきたえる練習です。
- コーチングポイント:かかとを少しうかせ、すぐに動ける構えで待つ。落ちたボールに近い方の足で1歩目を出し、近い方の手でとる。
- やさしくする方法:パートナーとの距離を近くする。2回以上はずんでもOKにする。
- むずかしくする方法:距離を遠くする。1回はずむまでにキャッチする。パートナーが「右」と言いながら左を落とすなど、声にまどわされない練習にする。
4. コーン間サイドステップ&キャッチ
コーンを3つ、2〜3mおきに横一列にならべ、GKは真ん中のコーンの前に立ちます。パートナーは6〜7m前に立ち、左右どちらかのコーンを指さします。GKはサイドステップでそのコーンの前へ動いて止まり、構えてから、投げられたボールをキャッチします。真ん中にもどって、くり返します。
- コーチングポイント:足をクロスさせない。小さく速いステップで動き、最後の1歩で止まって、ボールが投げられる前に構え終わる。
- やさしくする方法:コーンの間をせまくする。GKが構えたのを見てから1秒待って投げる。
- むずかしくする方法:コーンを5つにふやす。GKがコーンに着くと同時に投げて、すばやく構える力をきたえる。
5. 後ろ向きからの反応セーブ
GKはゴールやパートナーに背中を向けて立ちます。パートナーが「ターン」と声をかけたら、GKはすばやくふり向いて構え、そのあとに投げられたボールをキャッチします。ふり向いてから構えるまでの時間を短くすることで、こぼれ球や急なシュートへの反応がよくなります。
- コーチングポイント:ふり向くときは小さくジャンプするように体を回し、着地したらすぐに構える。まずボールを見つけてから手を出す。
- やさしくする方法:ふり向いてから少し待って、正面にやさしく投げる。
- むずかしくする方法:ふり向いたときにはもうボールが投げられているようにする。左右や高さを変える。
6. すわった姿勢からの低いボールのセービング
やわらかい芝生の上で、GKは長くすわるか、ひざ立ちになります。パートナーは3m前から、GKの横へ低いボールを転がします。GKは体の横から倒れて、両手でボールをおさえます。倒れ方を安全に覚えるための練習なので、スピードよりも正しい形を大切にしましょう。セービングの基本はGKのセービング練習メニューも参考にしてください。
- コーチングポイント:ひざやひじから落ちず、体の横(太もも・こし・かた)から地面につく。下の手はボールのうしろ、上の手はボールの上。頭はボールのうしろに。
- やさしくする方法:ボールをほとんど手もとに転がす。片側だけ練習してから反対側へ。
- むずかしくする方法:しゃがんだ姿勢、立った姿勢へと少しずつ高くする。転がすボールを少し速くする。
7. GK対決ゲーム
2人ともGKのときにおすすめのゲームです。ミニゴールやコーンでつくったゴールを20〜25mはなして置き、それぞれのGKがゴールを守ります。ボールを持ったGKは、自分の陣地のコーンのラインより前に出ずに、投げたりけったりして相手のゴールをねらいます。止めたらすぐに反撃します。楽しみながら、セーブとフィードを何度もくり返せます。
- コーチングポイント:シュートが来る前に構え終わる。キャッチしたら、相手が構える前にすばやく投げる。ねらうときは相手のいないコースを見る。
- やさしくする方法:ゴールとゴールの距離を長くする。手で投げるシュートだけにする。
- むずかしくする方法:ゴールを少しせまくする。キックやボレーもOKにする。5点先取など、試合のようなルールをつくる。
8. フィードのパス交換
最後はボールを配る練習です。2人で15〜25mはなれ、アンダースロー(転がす)、オーバースロー、パントキックなど、決めた方法でボールを相手にとどけます。相手がそのまま止めやすいボールを出せたら1点です。キャッチのあとにすぐ投げる形にすると、より試合に近くなります。
- コーチングポイント:投げる方向に1歩ふみこむ。転がすときは低くかがんでボールがはねないようにする。相手がとりやすいスピードを考える。
- やさしくする方法:距離を短くする。転がすボールだけにする。
- むずかしくする方法:距離を長くする。相手が動いている所へ出す。キャッチしてから3秒以内に投げる。
練習を組み立てるコツ
2人の練習は30〜45分くらいがちょうどよい長さです。ウォーミングアップのあとに、メニュー1と2でキャッチを確認し、メニュー3〜5から1つか2つを選んで反応とステップをきたえます。やわらかい地面があれば、メニュー6で安全な倒れ方を練習しましょう。最後にメニュー7のゲームか、メニュー8のフィードで終わると、楽しく練習を終えられます。
交代するときは、投げる人も「今の構えはよかった」「手の形がきれいだった」など、よかった点を1つ伝えてあげましょう。おたがいに声をかけ合うことで、2人とも上達が早くなります。
KEEPIXでメニューを形にする
2人の練習も、コーンの位置やボールの出し方を図にしておくと、毎回すぐに始められます。KEEPIXのセッションデザイナーを使えば、選手やコーン、ボールの動きを図にして、コーチングポイントといっしょに共有できます。毎日の練習の記録やふり返りにはKEEPIX Diaryが便利です。
もっとメニューを増やしたい人は、GKドリル50選の無料PDF(英語)をダウンロードしてください。毎日のドリルはインスタグラムでも発信中です。英語の記事ではGoalkeeper Drills Without a Coach(英語)も紹介しています。ほかの練習メニューはGKドリル一覧にまとめています。
まとめ
- パートナーが1人いれば、キャッチング・ステップ・反応・セービング・フィードまで練習できる。
- 投げる人は、やさしいボールから少しずつむずかしくする。
- セービングや倒れる練習はやわらかい地面で。手を先に出し、頭からとびこまない。
- ステップの練習では、ボールが来る前に止まって構え終わる。
- GKどうしならゲームにして、楽しくくり返す。
- 交代しながら、おたがいのよかった点を声に出して伝え合う。
よくある質問
GKの練習は2人でもできますか?
できます。ボールを投げてくれるパートナーが1人いれば、キャッチング、サイドステップ、反応、安全な倒れ方、フィード、GKどうしのゲームまで、たくさんの練習ができます。
パートナーがGKでなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。友だちや家族でも、ボールを投げたり転がしたりできれば練習になります。はじめはやさしいボールから始め、少しずつスピードや高さを変えてもらいましょう。
2人で練習するときの注意点は?
セービングや倒れる練習は芝生などのやわらかい地面で行い、頭からとびこまないようにします。まわりに人やかたい物がないか確認し、子どもは回数を少なめにして休みをとりましょう。
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